存在の意味への探求

手川誠士郎先生古稀記念論文集

20 世紀初頭ハイデガーは存在を巡る巨人の戦いを開始し、数多の哲学者がそれに参戦した。本書もまた存在の不思議に胸打たれた様々な研究領域の碩学や新進気鋭の若手研究者が、独自に存在の意味を探求した成果を編んだものである。まさしく存在は多様に語られる。個々の論文が、存在という迷路に果敢に挑もうとする読者のアリアドネの糸(正解への道しるべ)になるだろう。

手川誠士郎
1941年生まれ。立正大学教授。ニーチェの生の哲学を伏流水としつつ、キルケゴール・ルネッサンスと現象学の洗礼を受けて、人間の有り方を関わりとしての個として捉え、その有り方の依って立つ根底を語ろうとするハイデガーなど、実存哲学の領域を専攻領域としている。
編著書に『根拠への思索』(隆文館、1994年)、『30年代の危機と哲学』(清水多吉・手川誠士郎編訳、平凡社、1999年)など。

A5判 上製 428ページ
定価 (本体4,600円+税)
ISBN978-4-87023-629-5

〈収録論文〉
因果論の批判─高山守『因果論の超克』に寄せて─   湯浅正彦
神の存在証明─聖トマスとデカルト─   村上喜良
技術のあり方をめぐる対話─プラトン『国家』とサービスラーニング─  田坂さつき
自己の転換と限界─西田哲学と西谷啓治『根源的主体性の哲学』の方法─  板橋勇仁
ライプニッツの唯心論哲学単子論と世親唯識の観念論的認識論との比較対照考
伊藤瑞叡
アリストテレスの存在論における〈あるもの〉の多様な意味
岩田圭一
明治初期社会思想論考─久松定弘の『米国官海瀆話』を中心として─  石川 實
ハイデガーにおける〈二つのアレーテイア〉の解釈
武井徹也
死者との共存(死者の存在論試論)─ハイデガーの死の分析を手掛かりとして─  小館貴幸
ハイデガーにおける自己批判としてのニーチェ論
木村史人
大学における哲学の意味─ 一九二〇年代におけるヤスパースの大学観─  吉田真哉
「一円観思想」における「我」
阿保知華
含意結合子をもつ量子論理と反事実的条件法
石垣壽郎
ハイデガーの「思索」における“語り得ぬもの”の意味について
 ─形而上学を超克する「思索」という名の思考の枠組みと「存在」を求めて─  稲田義行
再帰と文脈
藤岡 洋

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